ネスティングラックとは、物流倉庫のラックシステムです。ネスラックとも呼ばれます。金属のフレームでラックを組むことで、効率的な保管ができます。ネスティングラックを重ねて設置することもできます。重ねて利用するため地震が多い日本では、地震対策が重要になります。
物流業界において、顧客からまかされた荷物をよい状態で保ち、作業に携わる人を安全な状態で守ることは非常に重要です。揺れによって荷崩れを起こせば、荷物も作業員の安全も守れません。ネスティングラックの耐震方式についてご紹介しようと思います。
あの大震災に耐えた「レールオンレール構造」
優れた耐震性で有名なネステナーは、エレクター社のレールオンレール構造をもったネステナーです。北海道南西沖地震や震度7を上回った阪神淡路大震災でも荷崩れを起こさず、確かな耐震性を証明しました。
エレクター社のレールオンレール構造は、特殊接合法であるレールオンレール方式を採用しています。90度のレールに82度のレールが重ねられています。8度の角度の違いがクッション効果を生み、強い耐震性を発揮するのです。
重みが増すほどに、揺れるほどに、強く食い込む構造となっているため、強い地震時こそ安全性が高まるといっても過言ではありません。オプションとして用意されている専用の耐震金具を用いれば、耐震性がさらに向上します。長期間積み上げておく荷物が多い倉庫は、導入を必須といえます。
耐震金具の種類 |
形状 |
接合部分 |
---|---|---|
中央用 |
コの字型 |
逆ネステナーの背面、上下、隣り合う逆ネステナーの柱 |
サイド用 |
三角型 |
2つの正ネステナーの側面上下 |
5角パイプ構造で作業もスペースも効率化
エレクター社のレールオンレール構造をもったネステナーは、の5角パイプ構造は4角パイプのように断面が四角形ではなく、一部分を切り落としたような五角形になっています。
5角パイプの採用で1台あたりの間口寸法が50mm減り、フォークリフトでの荷物の積み下ろし作業にかかる時間の短縮に成功しました。また、4角パイプ26台分のスペースに、5角パイプならば27台分置けます。衝突や衝撃での荷崩れも起こりにくくなります。
より多くのスペースが確保できることで倉庫費が削減でき、効率的な作業によって人件費も削減。コストダウン効果が見込める構造なのです。
荷物の積み上げのポイントであるネスティングとスタッキング
「ネスティング」はいわゆる「入れ子構造」のことで、構造内に別の構造が入っている状態です。使用状態で積み上げると、足部分が下にくるものにはまって場所を取らない椅子などがこれにあたります。「スタッキング」は積み上げられる構造で、下のコンテナに物が入っていても、その上にまたコンテナを乗せられる状態などを指します。
物流業界では倉庫の維持管理費がコストのうち大きなウエイトを占めており、スペース=コストの公式がズバリ当てはまります。ネスティングラックはネスティングとスタッキングの両方が可能で、これらをうまく組み合わせて未使用時の省スペース化や多くの荷物の積み上げを可能にしています。それゆえに荷物は積み上げられ、災害時には被害が発生しがちです。何事もほどほどが大切です。
日本は地震大国です。震災における積荷対策は、物流業界全体の課題
レールオンレール構造を採用したネステナーは、その課題に向き合い、一つの答えを与えてくれるシステムといえます。日本は地震大国です。震災における積荷対策は、物流業界全体の課題といえるでしょう。
日本では、今後も大きな地震がたびたびやってくるといわれています。いつ来るかはわからないものの、確実にやってくる大地震に備え、ネステナー導入を検討してみてはいかがでしょうか。それがかけがえのない人命や、大切な製品を守ることに繋がります。
ネスティングラック製品一覧
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