キャスター付きならどれでも同じ?

運搬だけでなく保管にも使用できるカゴ台車は、運搬業界に欠かせないアイテムです。店舗などでそのまま棚としての活用も出来るので、幅広い用途で活躍します。そんな便利なカゴ台車ですが、キャスターの配置で異なる特性を持つことをご存じでしょうか。ここではそんなそれぞれの特性についてご紹介します。
カゴ台車に使われるキャスターの種類
カゴ台車のキャスターには次の2種類があります。
直進性の高い固定キャスター
固定キャスターは、向きが固定されているキャスターです。方向を変えるにはそれなりに力が必要ですが、横滑りしないので、直進に向いています。
旋回を容易にする自在キャスター
自在キャスターはタイヤ部分が回転し、走行方向を自在に変更できるキャスターです。小回りが利くものの、安定性には欠ける面があります。ロック付きのタイプと、そうでないものがあります。
キャスターの配置を意識した作業を
カゴ台車には4輪のキャスターがついています。通常は4輪すべてに自在キャスターが使われているか、半分ずつ自在キャスターと固定キャスターが使われているかのどちらかです。固定キャスターのみでは方向が変えにくいので、使用目的に合わせて自在キャスターと併用します。
固定キャスター併用タイプが適した環境
固定キャスター併用タイプは直進性能が優れており、直線移動距離が長い環境で用いるならとても便利です。ただ、小回りが利かないので方向転換が多い場所での使用には適していません。方向転換の負担は、通常だと前輪が自在キャスターで後輪が固定キャスターになるよう押す方が軽くなります。ただし重い荷物を運ぶときは、後部を旋回させた方が楽に向きが変えられるので、前輪が固定で後輪が自在になるよう向きを設定しましょう。
総自在キャスターに適した環境
カゴ台車は、すべてのキャスターが自在キャスターのタイプも人気があります。全方向に動かしやすく、小回りが利くためです。使用する場所の通路が狭い場合や曲がり角が多い場合は、このタイプを選びましょう。ただし、キャスターが回転するため蛇行しやすく、直進距離が長いと逆に効率が悪化します。また、傾斜がある箇所で使う際は利便性に加え安全性確保のためにも、ストッパーつきキャスターのカゴ台車を選ぶ必要があります。
おわりに
総自在キャスタータイプでも固定キャスター併用タイプでも、カゴ台車の価格はあまり変わりません。一方、キャスター選びや配置によって作業効率は大幅に変わります。カゴ台車を購入する際は「キャスター付きならどれでもいいや」と思うのではなく、作業環境を考慮して選ぶことが大切です。