物流のスピード感は時代のニーズ
物流業界は最新テクノロジーのもと、日々より良いサービスが展開されるようになりました。大手インターネット通販サイト「楽天」で利用できる「あす楽」のような、注文の翌日配送されるサービスどころか、注文した商品が即日配送されるサイトも最近では珍しくありません。ここではそんな物流業界の最新テクノロジーについてご紹介いたします。
物流の効率化の重要性
物流業界において物流のスピードはとても重要な要素です。日本の物流業界では、もはや荷物が確実に受け取れるだけで顧客の満足感を得ることができなくなってきています。どれだけ正確に丁寧に配送できたとしても、スピード感がなければ物流業界で生き残って行くことはできないのが現状。そこで求められるのが効率化です。
顧客からみた効率化の重要性
市場に数多く流通している商品ならば、「より早く届けてくれる業者に配送を依頼したい」と思うのが顧客心理です。配送の遅い業者はそれだけで、顧客を他の業者に取られてしまいます。
企業からみた効率化の重要性
物流のスピードは物流工程の効率化によって実現するものです。また、ピッキングに当たる作業員の人件費や不良在庫の発生によるロス率、誤配送によるクレーム率を押さえ、コスト削減を図るためにも物流の効率化は重要です。
物流のびっくり!最新テクノロジー
正確性とスピード感の両立を求められている物流業界では、ニーズに対応するため各社が企業努力を続けています。ここではそれらのうち一部をご紹介いたします。
頼んで30分でお届け!アマゾンのドローン配送サービス
品数が豊富で価格が安く、配送が早いことで人気の大手インターネット通販サイト「amazon(アマゾン)」は2013年、「Prime Air」サービスの構想について発表しました。これはドローンを使った配送サービスで、アメリカでは近々実用化される予定です。注文から30分以内の配送が可能と言われています。
特許の申請資料によると、各ドローンが天候、交通状況、障害物などの配送環境情報を通信し合い、リアルタイムでルートが修正される超高度システムだとか。
昨年末、政府が千葉市を国家戦略特区に指定し、ドローンを活用した配送を可能すると報じられました。3年以内のドローン配送の実現を目指しています。高層マンションの上階の配送にドローンを活用する構想のようです。ドローン配送は遠い未来の話ではなく、近々実現する技術になってきています。
無駄なスペースを一発削減!自動梱包システム
「i-pack(アイパック)」は、佐川グローバルロジスティクスで開発された自動梱包システムです。商品サイズに合わせて自動的に段ボール箱を折りたたみ、上蓋をかぶせて梱包する仕組みです。大小の箱を用意する必要がなく、包装資材の在庫管理が効率化され、省スペース化に成功しました。緩衝材の使用量も削減でき、トラックなどの荷台スペースが無駄なく使えるので輸送効率が上がります。
腰痛改善?パワーアシストスーツ
作業員の負担を軽減するパワーアシストスーツ(装着型ロボット)の開発で、パナソニック子会社のアクティブリンクなど、各社がしのぎを削っています。それを象徴するかのように2015年1月、国土交通省が設置する「物流技術研究会」の第1回会合でも議題としてこのテーマが取り上げられました。スーツを着用すれば重量の負荷が軽減され、格段に荷揚げ作業が楽になります。
この研究会で取り上げられたモデルは実用化されていませんが、量産化に踏み切る企業は増えてきました。物流だけでなく農業や製造業、介護など多様な分野での活躍が期待されています。見た目はロボットを連想させるデザインなので、○ンダム世代の男性は、視覚的にも楽しめるかもしれません。
私の荷物、今どこにある?位置情報システム
トレーサビリティの小口化により、今後小さな商品の位置を個別に把握できるサービスの実用化が期待されています。これまでも配送状況を確認できるシステムはありましたが、より詳細な情報が得られることで、顧客に安心感が与えられます。
おわりに
最新テクノロジーを駆使した物流技術が、次々と開発されています。顧客のニーズを的確にとらえなければ、物流業界で生き残って行くことはできません。新しい技術の中には実際の業務に取り入れられるものもあるので、検討してみてください。